長い伝統を持ち、今や日本国内のほとんどの陶磁器を生産している美濃焼。美濃焼の発展していった過程には、いくつかの要因が考えられます。美濃の地で陶磁器作りが発展していった理由や背景を、ここでは紹介していきます。
陶磁器を作るには、窯の使用が必要不可欠です。山地が多く、窯を作りやすいゆるやかな斜面が広がった地形も、陶磁器を作るのに向いています。明治中期ころまでは、山の斜面に築かれた窯が主に使用されていました。
江戸時代になると、江戸を中心に東日本からの陶器の注文が多くなりました。他の陶磁器の産地と比べて江戸から近く注文を出しやすかったというのも、美濃焼が栄えた要因です。「江戸に近い」という地理的条件も、美濃焼の発展に有利にはたらいたのです。