「さ」行から始まる用語
砂婆【さば】
花崗岩が風化分解した砂。長石、石英、雲母を含んでいる。愛知、岐阜県境付近で大量産出する。水洗、粉砕、ふるい分け等を行っている。愛知県では「さば」、岐阜県では「ソーケイ」と呼んでいる。
酸化コバルト【さんかこばると】
青または紺青の呈色剤として、染付などで使われる。
酸化焼成【さんかしょうせい】
還元焼成とは全く逆な焼成法で、酸素十分の雰囲気を保った焼成法。
酸化鉄【さんかてつ】
一般的に酸化鉄と呼ばれているものは、酸化第2鉄(Fc2O3)のこと。
酸化銅【さんかどう】
一般に酸化銅とよばれているものは、酸化第2銅(2CuO)のこと。酸化焼成で青・緑色に、還元焼成で赤色に発色する。
下絵付け【したえつけ】
釉薬を掛ける前に素地に、呉須や鉄、銅などの下絵の具で絵柄を描くこと。この後に、透明釉を掛けて絵柄を浮かび上がらせる。
英語表記
Under glazed decoration
関連
失透釉【しっとうゆう】
結晶が析出して、白く不透明になる釉薬。
英語表記
Devitrified glaze
関連
志野【しの】
桃山時代にはじめられたやきもので、長石質の白釉を厚く施されたもののことを言う。
締焼【しめやき】
釉薬を施さないで焼成をすること。
シャモット【しゃもっと】
粘土を一度焼いて砕いたもの。
焼成【しょうせい】
窯業製品を窯に入れて高温度で焼くこと。陶器質は1,150℃~1,250℃、磁器質は1,250℃~1,300℃、と原料によって、焼成時の温度に違いがある。
シリカ【しりか】
珪酸。分子式はSiO2。分子の連結の仕方により石英、トリジマイト、クリストバライトの3種類の結晶に分けられる。また、一定の構造を持たず結晶をしていないものとしてシリカゲルや熔融石英、いわゆる非結晶シリカがある。
辰砂釉【しんさゆう】
銅を含んだ釉薬で、還元焼成を行い紅の発色をさせる。
磁器【じき】
素地は白色で、透光性がある。打てば金属音を発し、破砕面は貝殻状になるやきもの。原料は陶石、珪石、長石、粘土等。
素焼【すやき】
本焼きの前に、素地に吸水性と強度をもたせる目的で行う焼成。素焼のときの焼成は700℃~800℃で行われる。
スリップ【すりっぷ】
粘土を解膠剤(水ガラス)で液状に溶いた泥漿。鋳込み用の泥漿も単にスリップともいう。
青磁【せいじ】
素地と釉薬のなかに含まれる鉄分が、還元焼成によって青く発色した磁器。
石英【せきえい】
シリカ原料として一般に用いられているもの。純粋で六法柱状透明な結晶を水晶とよんできる。半透明または不透明な白色塊状のものを珪石、石英の細かくなったものを珪砂とよんでいる。比重は2.65。
石灰石【せっかいせき】
媒熔剤として陶磁器の釉薬に使われ、珪酸と簡単に結びつくので長石とともに大切な釉薬原料。
石灰釉【せっかいゆう】
石灰分の多い釉薬。透明釉。
英語表記
Transparent glaze
関連
せっ器【せっき】
せっ器粘土を使った有色の陶器。吸水性はなく、叩くと金属音を発す。
石膏【せっこう】
硫酸カルシウムを低温で焼いて焼き石膏(半水石膏)にしたもので、水を加えると発熱して固まる。型などを作るのに使われる。
施釉【せゆう】
生素地または素焼をした素地に釉薬をかけること。
ゼーゲルすい(Seger錘)【ぜーげるすい】
窯のなかの温度を測るための、粘土でできた三角錐の温度計。ある量の熱を受けると、曲がってくるように調合してある。
染め付け【そめつけ】
染織用語から派生した語で、施釉前の素焼きしたものに、呉須と呼ばれる染付特有の顔料で、磁器の素地に藍色の下絵付けする手法の事。中国では「青花」と呼ばれる。
水簸【すいひ】
水中での粒子の沈降速度の差を利用して、鉱物の分離精製を行う方法。粘土質原料から石英、長石、雲母、鉄鉱物などの不純物を除去したもの。